ホタルは自然の小川で生きているものであり、数多く乱舞したかと思うと、台風の大雨でホタル川の形態までも
が変わってしまったりします。が、これらも川の浄化作用で必要なことでありそれゆえ綺麗な川となります。そして
そこからまたホタルが飛び始めるのです。これらの自然の営みの中でいつまでもホタルが飛び交うふるさとを願っ
ています。
飼育することは誰にでもできますが、保護のための生態観察や研究を目的としてだけ飼育しましょう。
みなさんが飼育するため捕獲すればホタルは絶滅します。
虫かごの中に湿った水苔を敷き、オスとメスを入れ交尾すれば産卵します。
一斗缶くらいの大きさの容器に防虫網をかける。
水苔のかわりに湿らせたガーゼや湿らせたスポンジでもよい。
スポンジは卵が黄色なのでそれ以外の色、底面や側面に産卵するので
底を浮かせるため1cm位の角材等を置く。朝夕2回位霧吹きをする。
メスは日陰になる場所を選んで産卵するので、よもぎなどを入れたコップを置く。
卵が25〜30日で黄色から黒っぽく変色したら孵化が始まり、幼虫は水中に入ります。
日陰の風通しの良い所に置き、水槽に網を斜めに立てかけその上に卵の付いた
コケを置く。
乾燥しないように濡れ過ぎないように、霧吹きや、エアーポンプなどで水分を補給する。
幼虫はスポイトなどで取り出し別の水槽で飼育する。
水槽やバットに水深2〜5cmの水を入れ水中にエアーポンプで空気を送り、底に砂を軽く敷き小石や植木鉢
のカケラや落ち葉などを入れ、餌はカワニナを与えます。
水替え
毎日少しずつ、1週間に1度は変える。水温が28度を超えないよう涼しい場所に
置く。水道水はカルキ中和剤を使用する。ろ過装置などを利用する。
水槽の清掃
1〜2週間に1度、水槽を掃除する。
食べ残しはや貝殻はすぐに捨てる。幼虫が隠れているので注意する。
ホタルを飼育するということは、餌も飼育する必要があります。
ヘイケホタルの餌は、サカマキガイ・モノアラガイ・インドヒラマキ・ヒメタニシなど、比較的飼育しやすいのですが、ゲンジホタ
ルの餌は「カワニナ」だけで、カワニナは珪藻類を食し、この珪藻類が育つ環境は、きれいな水が豊富で流速もあり、珪藻が
付着しやすく、流されにくく、日照がよく、水温も上昇しない川でなければなりません。
餌の飼育に自信のない人は飼育をあきらめましょう。
餌を採取する場合は、飼育する餌を採取することで自然界のホタルの餌を取り上げていることを忘れないでください。
4〜5月頃終齢幼虫は蛹化のため上陸し、土の中に「土まゆ」(さなぎ)を作る。6〜7月頃「土まゆ」(さなぎ)から
成虫になります。
蛹床は容器に鹿沼土や赤玉土の中、小粒を層状に積み重ね、斜面を作る。
水深は7〜8cmにし、エアーポンプで水流を作る。
土は殺菌するのが望ましく、十分湿っている状態を保つ、土の上に落ち葉や石を
置き、緩やかな起伏を持たせる。
発砲スチロールなどで断熱、保温、保湿効果を工夫する。