37 有耶無耶の関跡

 古代、陸奥の国府多賀城と出羽の国府とを結ぶ官道に有耶無耶の関所が
笹谷峠にあったといわれている。
 明和九年(1772)仙台藩田辺希文が書いた「封内風土記」には、関の地名
説話として、昔、この関山に山鬼が住んでおり、旅人を捕らえて食べていた。
ところが山中に観音さまが姿を変えた双鳥がおって、山鬼がいるときは「有耶」
いないときは「無耶」と鳴いて旅人に知らせたという。